ノートパソコンを使って歪み率の計測に挑戦してみました。
計測ソフトは、efu さん作の有名なフリーソフトである 「高速リアルタイム スペクトラムアナライザーWaveSpectra 」 と 「 多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene 」です。この計測ソフトは、外付けの PC オーデイオ・インターフェースを使うのが普通のようですが、ぺるけさんがパソコン内蔵のものでも使えると紹介されていたこともあり、PC オーデイオ・インターフェースを使わずにパソコンのみで計測してみました。
PC オーデイオ・インターフェースを使わなかったのでどうなるか不安でしたが、単純なループバック接続で評価したところ最低歪み率が0.03%程度となりました。また、再現性も高く、安定していました。2次歪み、3次歪みも測定できました。下図は、自作した 6DJ8・Mini Watter・Singleの測定結果です。また下の画像は、測定信号の周波数が1KHzのときのWSの測定画像です。高調波の様子もみてとれます。沢山出ている50Hzとその倍音は電源の残留リプルでしょうか。
efu さんに多謝。
ダウンロードした WaveSpectra のバージョンは Ver. 1.51、WaveGene のバージョンは Ver. 1.50 です。
使ったノートパソコンは NEC 製です。CPU 性能は求めないようです。ただ、他のパソコンでは試していませんので、たまたま、私のノートパソコンとの相性が良かった?のかもしれません。
NEC LaVie S LS350/ASシリーズ |
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Windows® 7 Home Premium |
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インテル® Core™ i3-350M 2.26GHz |
ループバック接続で基本的な能力を確認しました。
評価の結果、基本的な諸元は次のようになりました。無料でいいんでしょうか。
¬ 測定範囲 0.03% ~
¬ 残留雑音 0.05mV 以下
¬ WS側の許容入力電圧 10mV ~ 400mV くらい
¬ WS側の入力インピーダンス 4.2KΩ
¬ 低周波発振機能(WG側)
Ø 出力電圧 10mV ~ 1V
Ø 出力インピーダンス 76Ω
¬ 測定確度 不明、真空管アンプビルダーのアマチュアが使う分には十分みたいです
¬ 測定機能 THD、THD+N、基本波電圧、高調波電圧、全帯域のスペクトラム、他多数
注意 この数値は、使用したノートパソコンのアナログ出力・入力(Headphone端子・Micorhpone端子)の歪み・雑音性能が支配項であり、パソコンや外部オーディオ・インターフェース次第で変わると思われます。 外部オーディオ・インターフェースを使用した例をwebで見かけましたが、測定範囲の値は、一桁は良い値でした。
パソコン、アンプ、アッテネータ、ダミーロードを接続する ( 上記の接続図を参考 )
WG、WS を起動し、測定周波数を含めて必要な設定を行う
WG の出力レベルを固定する ( 例えば 0dB )
WG 、WS をスタートさせ、出力電圧毎の歪み率を測定
¬ 所要の出力電圧になるようアンプのボリュームを調整する
¬ アッテネータで WS への入力電圧が一定になるようにする
² 一定とする入力電圧は、300mV程度、または、WSの信号MAX値=−10dB程度、このATT の調整はかなりアバウトで OK
¬ 歪み率を読み取る ( WS の 「THD+N」 の値 )
いたって簡単です。あとは、測定データをエクセル等でグラフ化するだけ。
私のレベルでは、歪み率計の活用としては、作成したアンプの歪み率が何%だったか知るところまでです。作成アンプへのフィーッドバックはできません。少しでも応用できるようになりたいものです。
また、これで十分とわかっていながら、「TASCAM US-144MKII/US-144MK2」とか「AS372AN 」など、USB・オーディオ・インターフェースの価格を調べています。
ぺるけさんの、「私のアンプ設計マニュアル / 基礎・応用編 55.測定器その6 (歪み率の測定)」 には、「・・・歪み率測定用の専門的な機材に手をだすと、そこから先、止まらなくなりますよ!」とありました。1年後にはどうなっていることか。
efu さんの WaveSpectraを用いた歪率の測定について
その他 多数
ありがとうございました。
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