歪み率は、ノートパソコンを使って計測しました。計測ソフトは、efu さん作の有名なフリーソフト WaveSpectra と WaveGeneです。PC オーデイオ・インターフェースを使わず、パソコン内蔵の DSP のみで計測しています。
PC オーデイオ・インターフェースを使わなかったのでどうなるか不安でしたが、うまくできたと思います。 費用は WaveSpectra の入力アッテネータ代のみです。
歪み率のグラフを得るまでに2ヶ月を要しましたが、満足です。また、このあたりの顛末は、ご参考になればと思い『WaveGene・WaveSpectraを用いた歪率の測定』にまとめてあります。よろしければ、ご覧下さい。
efu さんに多謝。
最大出力近傍まで直線的に歪み率が素直に上昇しています。1KHz の歪み率が5% のときの出力は、お手本の0.38W には及ばず 0.30W(L-ch)と0.27W(R-ch)となりました。
●点と▲点は、お手本値です。比較のため『真空管アンプの素』の229頁に記載されている6DJ8の歪み率のグラフから歪み率が5%、1%、0.3%のときの出力値を目視で読み取ってプロットしました。
お手本値と比較すると
² 全体的に本機の方が歪み率は高くなりました。
² お手本は 1KHzと10KHzが重なっていますが、本機では分離しています。
² 最大出力付近で歪み率が良くなる(曲線が横に寝る)部分がありません。10KHzでは若干ですがその気配が見られました。
最大出力がお手本と比べかなり低めになった理由のひとつは総合利得(無帰還)が低かったため負帰還量が少なく、歪み率がその分下がらなかったことがあるかと想定しましたが、それだけで、ここまで差異が出ることにはなりません。10KHzに1KHzの特性が重なれば、お手本との差異が少なかったはずで、ここらあたりにも要因があるのでしょうか?
まぁ、全体的には(測定は)いい感じ、だと思いました。
<2次歪み率、3次歪み率>
Spectrum表示ウィンドウには基本波や高調波が表示され、波形を読み取ることができます。少々手間ですが、WSのリードアウト機能を使って2次高調波、3次高調波の振幅値を読み取り、基本波の振幅値との比率(2次歪み率、3次の歪み率)を計算してみました。
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