超3極管接続(Ver.1) 50BM8 シングル・アンプ 歪み率測定の問題点 |
Ver.01 2015/12/7
歪み率は、EfuさんのWaveSpectra・WaveGeneとサウンドインターフェース(TASCAM US-144MKU)を使用してパソコンで測定しました。これまでは、WaveSpectra・WaveGeneとPC内臓DSPで測定していましたが、外部サウンドインターフェースを使った初めての測定環境です。ループバックでの評価は良好でしたが、各試作機での測定結果を見ると、問題を内包しているようです。以下にまとめます。
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右図は、試作1号機のR-CHの歪率特性です。上から10KHz、100Hz、1KHzです。 悩ましい曲線になりました。 何回か測定したのですが、同様の特性曲線になります。また、L-CHを測定したところ同様の特性曲線となりました。
最良の1KHzが正解で、100Hzと10KHzは、何かの間違い/手違い?でしょうか。(間違いだとと思いたい。特に青線の10KHzは。)
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L-CHでも同様だったので、試しに、出力トランスをITS-2.5WSからT-1200に交換して、10KHzの特性を測定してみました。 問題の右肩下がりの部分は、ほとんど差異はありませんでした。
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次に、WaveSpectraはTHDも測定できるので、10KHzのTHDを測定をしてみました。 妙な感じはありません。
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理由が分からないまま、このことは一旦保留して、試作2号機、3号機へと制作を進めました。
そして、試作3号機を制作して10KHzの歪率特性を1号機と比べて見たところ、右肩下がりの部分の歪率が良くなっていました。 右肩下がりの直線部分は、残留雑音(N)が主成分となる部分です。 確かに、残留雑音は、試作1号機が約0.8mV〜0.9mV、試作3号機が約0.2mV〜0.3mVで、試作1号機と比べ試作3号機の残留雑音は、改善しています。
相対的な視点で見れば、右図の歪率特性グラフは、この残留雑音の改善を素直に表している、と読めます。
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改めて、試作1号機の特性曲線を見てみます。 測定した歪率データからこの右肩下がりの部分での雑音電圧を計算(歪率x出力電圧)すると、10KHzのケースでは0.93mVとなります。また、同様に計算すると、1KHzでは0.04mV、100Hzでは、0.13mVとなりました。 一方、試作1号機の残留雑音の測定値は、0.8mV〜0.9mVでした。右図の点線の直線です。
尚、残留雑音は、中古で購入した未校正のVT-176での測定値で、そのカタログスペックは、“ フィルター無し、5Hz〜1MHz ±10% ” です。また、WaveSpectraの帯域は~20KHz(?)なので、単純な比較には妥当性を欠きます。
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右図は、残留雑音が80μ~70μVに下がった本番機の歪み率特性曲線です。点線は70μVの残留雑音線です。 大夫格差が縮まりました。傾向としては、10KHz>100Hz>1KHzの順番に変りはありません。また、残留雑音線の上下に各周波数の特性曲線が位置するようになりました。
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以上から勘案して、残念ですが、低出力のときのデータは、確度がはっきりしないため参考データとして扱い、本稿での最低歪み率の数値表現・表記は控えました。 また、このような問題があるものの、今回の測定で得たデータは、周波数(100Hz、1KHz、10KHz)で特性を比較するときは0.1W以上では活用できる、また、各周波数での試作機毎の比較、例えば1KHzでの試作1号機と3号機の特性を比較するときなどは相対データとして活用できると考えました。
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制作の途中で、愛用のNECのノートパソコンが起動しなくなってしまいました。修理費用の見積もり金額は新品が購入できるほどの額でした。そこで修理はせず、新品を購入しました。東芝製です。この新品の東芝製のPCを使って歪み率を測定したところ、PC内臓のDSPは、ノイズが酷くてまっとうに測定ができません。困ってしまい、結局、USBサウンドインターフェース(TASCAM US-144MKU)を購入して、やっと出来上がった測定環境です。ループバックでの評価は良好で、期待していたのですが、残念。 そして、何故、このような結果となったのか、理由は謎です。これから、探ってみます
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