超3極管接続(Ver.1) 50BM8 シングル・アンプ Annex1 残留雑音測定での問題点 |
Ver.02 2015/12/29
残留雑音の測定は、入力ショートの状態で、8Ωのダミーロード端子間の交流電圧を電子電圧計「KENWOOD VT-176」で測りました。VT-176のカタログスペックは、“ フィルター無し、5Hz〜1MHz ±10% ” です。 下の表が、試作1号機から試作3号機までの測定結果の抜書きです。各測定値は、測定した日や時刻が異なります。 測定の状況としては、VT-176の針がふらつき表示値に幅が出るときと、針が安定してほぼ一定の値を示すときとがあり、また、一定の値を示しても、表を見てお分かりのように、測定の都度、過去の測定値とは異なる値になる、という状態で、結果として値がバラツキました。 そして、測定を繰り返すうちに、このバラツク理由が2ヶ見つかりました。
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♪ デジタル・マルチ・メータ R6441Bの影響 交流電圧の残留雑音の測定にはVT-176を、また、無信号のときの直流電圧の測定にはDMMのR6441Bを用いました。そして、試作4号機の諸特性を測定していたときのことですが、VT-176とR6441Bの両方のリード端子をアンプに接続したまま、R6441Bのリード端子を繋ぎ変えようとしたところ、VT-176の針がスーと下がることを目撃しました!
この目撃・発見から、R6441B(直流電圧測定モード)のリード端子をいろいろな箇所に接続した状態で残留雑音を測定する、という実験をしてみたところ、R6441Bのマイナス側のリード端子をアンプに接触させると残留雑音が増加する、また、このマイナス側のリード端子を接続する箇所により残留雑音の増加量に差異が出ることが分かりました。プラス側リード端子の影響はほとんどありませんでした。 下表が、R6441Bのマイナス側リード端子をアンプ各所に接触させたときのVT-176の残留雑音の表示値の変化をまとめたデータです。この実験によると、何も接続していないときから最大で約0.2mVも増加していました。
そう言えば、これまでの残留雑音の測定のときは、R6441Bのリード端子はアンプのどこかに接続したままという状態が多かったように思います。理由は分かりませんが、これが、残留雑音の測定値をバラつかせる元凶のひとつと判断しました。
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♪ 時間帯による変動 アンプの電源を入れていない状態でダミーロード8Ωの端子間電圧を測定すると、0mVにはなりませんでした。(測定端子間をショートすると0mVになります。) 針の振れるパターンとして、 @ 20μV等とても低い値を示して、また、針はほとんど振れずに安定している。 A 逆にまったく針が安定せすに10μV〜50μVとか50μV〜100μVの間を針がフラフラする。ひどいときは、200μVを超える。 という状態でした。 そして、このAの状態で、試作機の電源を入れて残留雑音を測定すると、振れ幅のある測定値になることが分かりました。
当初は、訳が分からなかったのですが、どうも土日は安定する@の状態になる気配があり、気にしていたところ、曜日ではなく時間帯に依存するようでした。そこで、2日ほど観察してみたところ、朝は、とても落ち着いています。@の状態です。昼も、この安定した@が続きますが、夕方の16時ごろから雲行きが怪しくなり、18時頃は、不安定なAの状態となりました。 その後、昼間に測定を行うことにしたところ、@の安定状態で測定できています。 理由は、まったく分かりませんが、夕方から針が安定しない状態となり夜間これが継続します。夜は、昼より電波が良く通りますが、試作ボードは何か電波を拾っているのでしょうか?
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以上から、次の2ヶを守って、試作4号機、本番機の残留雑音の測定を行いました。測定値は安定していました。 ❶:残留雑音を測定する際は、他の測定器を繋がない。 ❷:測定は、朝から夕方4時までに行う。 ❷は、測定できる時間が限られてしまい、とても困っています。
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